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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Airegin

京都 清水寺

犬と一緒に近所を散歩していると、かわいい子供が凧を持って駆けている。
犬はその凧に興味津々だ。
しかし、凧はそういう風に遊ぶのではないのに・・・・。
その子供は短く凧を持っては、息を切らして走っている。


私が一番最初に凧上げをしたのは、正月に祖父のところに遊びに行ったときだった。
多分、3歳か4歳くらいだったのではないだろうか。
祖父が凧を作ってくれたのだが、それは竹ひごと障子紙で作る昔ながらの和凧・・・・足が2本泳ぐやつだ。
叔父さんがその凧を持って近所の公園に連れて行ってくれた。
凧が風に乗って空を泳ぐと、叔父さんは凧糸を私に渡してくれた。
「この糸を離したらあかんよ。」と叔父さんはタバコを買いに行ってしまった。
持っていればいいだけなのだが、一人になると不安になる。
しかし、その凧は私の不安をよそにハタハタと空を泳いでいる。
緊張が解けてきた頃、糸を離したらどうなるんだろう・・・・離すなと言われると離してみたくなるものだ。
ただ、凧糸を持っているだけの状況に飽きてきたのも加わり、ほんの少しだけ糸を離してみた。
糸はあっという間に私の手からすり抜けて、前へ前へと飛んで行ってしまった。
走って追いかけるが、勿論追いつけない・・・・。
どうしようと思ったところに、誰かが足でその凧糸を踏んでくれた。
タバコを買いに行った叔父さんだった。
離すなと言われたことを守らなかった罪悪感と祖父の作った大切な凧が失くなってしまうという焦りの中、叔父さんはヒーローのように登場したのだった。
しかし、ダメと言われると反対のことをしたくなるのは、その頃からの性質だったのかもしれない。