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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Romain

 

病院で

以前、入院したときのことを思い出した。術後に麻酔が切れて目が覚めた。意識が朦朧とする私に、当直の医師が話しかけてくる。寝かせて欲しいのだが、矢継ぎ早の質問に答えなければならない。麻酔が切れてきたようで、少し痛む。眠れなくなってしまった。

どうも、この病室にはもう一人患者さんがいる。老人の男性で、大声で「ユキ!」と叫んでいる。その度に当直医や看護師が来て、「ここは病院で、今は夜中だから娘さんはいませんよ。」と説明している。ユキさんとは娘さんなのか...自分の痛みを誤魔化すために要らぬ推理を始める。

その後、「こんな雨の中、助けに行かないと死んじゃうよ!」と言ってみたり、「そこの杖を取ってくれ!ユキが行かないなら俺が行くよ!」と叫んでみたり.....。どうも、この老人の話を繋げてみると、今日は雨が降るからやめた方がいいというのに、奥様が言うことを聞かず畑に行ってしまったようだ。案の定、大雨が降ってきた(実際に病室には雨音が響いていた)。娘に傘を持って奥様のところに行くように叫ぶのだが、娘のユキさんはいない。それならば、自分が行くと言っているのだ。麻酔のせいか、認知が入ってしまっているのかはわからないが、内容がわかってくるとその叫び声をやかましいと思わなくなった。

ここからは私の想像の世界。おそらく、この老人、家では頑固ジジイ。奥様に感謝の言葉など言ったことがない。しかし、自分が病室で苦しんでる時に出てくるのは、奥様への心配なのだろう。ちょっと美しすぎるアレンジか!笑

私の周りも忘れっぽい人が増えてきている。私も予備軍かもしれない....先日、そんな人向けのサプリメントを定期購入した。そんな時、思い出した話。私もそうなった時には、間違えなく妻の名前を叫びたいものだ...大丈夫かな....