北海道 能取岬
先週末に、映画グリーンブックを観てきた。
すごくよかった。
人種差別が色濃く存在するアメリカ の話。
しかも、南部が舞台となっている。
アメリカ が大好きで、しかもジャズが大好きなのだが、この時代背景から生まれた音楽だと改めて考えさせられる。
逆境から偉大なものが生まれる・・・しかし、そんな簡単なものではないのだろう。
サザンオールスターズの曲の中に「星空のビリー・ホリディ」と言う曲がある。
ビリー・ホリディとは実在した人物で、差別の中で生きた黒人のジャズシンガー。
ビリーの曲調は暗く、時としてピーンと張り詰めた緊張感のなかで、囁くように歌う。
その緊張感は、わずかな物音も許さないほどの凄みさえある。
ビリーの代表曲の「Strange Fruit(奇妙な果実)」は、農園から逃げ出した黒人奴隷が、見せしめに木に吊るされた光景を、「Strange Fruit(奇妙な果実)」と歌ったのだが、この曲を歌うときのビリーは、魂で歌う感じだ。
でも、ビリーを「夢見る人(Lady)」と歌詞にしているところが、桑田佳祐の凄いところ。
矛盾と不合理の中にいながら、それでも夢を見続けたビリーを歌詞にしている。
その歌詞を読むとジーンとしてしまう・・・・夢見る人、ビリー・ホリディ・・・
グリーンブックを観て、なぜか、ビリー・ホリディを思い出してしまった。
ジャズは、あの時代背景の中で、それでも夢を見る人々によって作られ、聴かれて育ったのかと、少しわかったような気がする。
ジャズの聴き方が、少し変わるような気がする。