アメリカ ブルックリン
ふと木を見ると、アブラゼミがじっとしている。
9月も中旬を過ぎようとしているのに。
夏の盛りの頃は、木の高い場所に陣取って喧しく泣き続けるのだが・・・・。
このアブラゼミは、木の下の方で静かに佇んでいる。
蝉の晴れ舞台は、地上に出てきてからだ。
5年間も土の中で日の当たらない生活をして、太陽の下でみんなの目にふれるのは数週間。
そんな話を聞くと、夏の喧しい鳴き声にも少しは寛容になる。
しかし、このアブラゼミは最も輝かしい時も奪われたように、静かに佇んでいるのだ。
季節外れの蝉に物語を感じてしまった・・・・