長野県 八島ヶ原湿原
先日、近所のお店にパスタを食べに行った。
何となくワインが飲みたくなって、グラスワインを頼んだ。
パスタにはワインが合うのかな・・・その気になって飲んでしまった。
ワインというと、新婚旅行でスイスに行った時のことを思い出す。
サンモリッツという町で、小さなレストランに入った。
サンモリッツは、かつて冬季オリンピックが開催された所で、標高が高く、冬は雪が深くなる。
私たちは、格好つけてワインを頼んだ。
非常に飲み易く、美味しいワインだった。
普段飲まない妻は、ジュースを飲むようにゴクゴクと飲んだ。
飲み易いワインに加えて、標高が高いので酔いのまわりが早いのだ。
妻は、案の定、急に酔いがまわり、気分が悪くなった。
店員の女性が、心配して「Are You OK?」と寄ってくる始末。
その光景を見ていた男性客が、大きな声で「熱いブラックティーを出してあげてくれ!」とドイツ語で言ってくれた。
その客の言われるままに、熱いブラックティーが運ばれてきた。
妻は少しずつ回復し、話ができるまでになった。
その男性客は、コーラミンという飴がよく効くと話していた。
自分もスキーで標高の高い所に良く行くのだが、必ずコーラミンを持って行くとのこと。
高山病になっても、コーラミンをなめると一発だそうだ。
その男性客とお店のおかげで、妻は歩くことができるところまで回復した。
私たちはゆっくり帰ることにした。
会計をしようとすると、女性の店員が「お金はいらない。」と言う。
こんなに親切にしてもらって、チップをはずまなくてはいけないのに、チップどころか会計すら受け取らない。
伝票を持ってこないのだ・・・。
何度もお礼を言って、その店を出てきた。
しかし、やっぱりお金を払いたい・・・・そして、お礼を言いたいと思い、次の日にその店を訪れたが、扉が閉まっていて誰もいない。
当たり前だ、朝に行っても誰もいるはずも無い。
その日は、氷河特急に乗る予定があり、後ろ髪を引かれつつそのまま駅に向かうことに・・・。
しかし、スイスの人の温かさに触れた気がした。
そんな珍道中を思い出しながら、ワインを買ってきてしまった。
勿論、開栓するまで味などわからないのだが・・・・。