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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Everything Happens To Me

神奈川県 七里ケ浜

実は子供の頃、カレーにソースをかけて食べていた。
母が大阪だからだと思うのだが、私はカレーにはソースをかけて食べるものと思い込んでいた。
ある時、友達の家でカレーをごちそうになった。
その時いつもの通りソースをかけると、大騒ぎになった。
「ええ!!なんでカレーにソースかけるの??」
友達は飛び跳ねながら、驚愕の事実の目撃者になったことを喜んでいた。
友達はお母さんに、「人それぞれだから・・・」とたしなめられるのだが、興奮は冷め止まらない。
歴史的瞬間に立ち会ったような興奮ぶりだ。
そのときである・・・・カレーにはソースをかけないということを知ったのは・・・。
それ以来・・・・40年以上になると思うが、私はカレーにソースをかけなくなった。


先日、仕事に行く途中にサービスエリアでカツカレーの食券を買った。
昼時で混雑していたので座る所が無い・・・・・4人がけの席が空いて、気が引けたのだが座らせてもらった。
一口、二口・・・食べ進むと、ソースをかけたくなった。
子供の頃のカレーの味に似ていたのか、味が少し物足りなかったのか・・・・原因はわからないのだが、無性にソースをかけたくなった。
「このカレーはソースをかけて完成する・・・・」、そんな確信があった。
しかし・・・・蘇る、あの日の光景・・・・友達が飛び跳ねながら笑う光景が頭をよぎる。
冷静に考えれば、誰に迷惑をかけるわけでもない・・・・今、ソースをかけないと一生後悔する・・・・大げさな理屈が頭を回る。
3分の1位食べた頃だったか、勇気を振り絞ってソースに手を伸ばした。
ダラダラといってやった・・・・旨い!やっぱりこのカレーはソースが必要だった。
そうこうしていると、「相席よろしいですか?」と初老の夫婦が隣に座った。
しまった・・・・「カレーにソース」が見られてしまう。
ん??しかも隣のご主人は私と同じカツカレーだ。
しかし、変な自信が湧いてきた・・・・このご主人も食べ始めると、ソースをかけたくなるはず・・・・・根拠の無い自信。
ところが・・・・次の瞬間、驚くべき光景が。
そのご主人は、一口も食べないのにソースを手にとり、ダラダラとやり始めた。
えええ?カレーにソース派?
自信に満ちたそのダラダラは、私のそれとは違いたっぷりとかけていた。
しかも、途中で「追ソース」まで・・・・この人・・・・もしかしてレジェンド?
小さくなっている私とは違い、堂々としたソースダラダラにスカッとしてしまった。
「自分の信じる道を行け」とレジェンドは私に言っていた・・・・のか・・・・。