Old Folks

社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Where or When

 

勘違い
暑い。愛犬と散歩するが、すぐに身体中の水分が滲み出てくる。

近所にある自動販売機。あまりメジャーな商品は無いのだが、他に自販機が無いので選択肢は無い。愛犬を待たせて、200円を投入して見慣れないスポーツドリンクを押す。50円のお釣りを探るとコインが2つ!なんと、60円ある。

 

私が子供の頃、拾った10円玉を10分ほど歩いて交番に届けた。お巡りさんは、「よく届けてくれたね。ありがとう。」と褒めてくれた。そして、「でも、お金には名前が書いてないから、多分見つからないよ。落とした人は、落としてしまったこともわからないかもしれないね。だから、これは君にあげるよ。」と言って10円玉を私の手に握らせた。

 

もちろん、今は交番に届けるようなことはしない。自販機でもうけた10円は何の疑いもなく自分のものにしてしまう。そして、もう一度自販機に目をやると、140円と表示されている。勝手に勘違いして10円得したと思い込んでいただけだった。

50年以上も生きてきて、汚れはてた心にこの勘違いはバランスをとってくれるのかもしれない。

 

 

 

Romain

 

病院で

以前、入院したときのことを思い出した。術後に麻酔が切れて目が覚めた。意識が朦朧とする私に、当直の医師が話しかけてくる。寝かせて欲しいのだが、矢継ぎ早の質問に答えなければならない。麻酔が切れてきたようで、少し痛む。眠れなくなってしまった。

どうも、この病室にはもう一人患者さんがいる。老人の男性で、大声で「ユキ!」と叫んでいる。その度に当直医や看護師が来て、「ここは病院で、今は夜中だから娘さんはいませんよ。」と説明している。ユキさんとは娘さんなのか...自分の痛みを誤魔化すために要らぬ推理を始める。

その後、「こんな雨の中、助けに行かないと死んじゃうよ!」と言ってみたり、「そこの杖を取ってくれ!ユキが行かないなら俺が行くよ!」と叫んでみたり.....。どうも、この老人の話を繋げてみると、今日は雨が降るからやめた方がいいというのに、奥様が言うことを聞かず畑に行ってしまったようだ。案の定、大雨が降ってきた(実際に病室には雨音が響いていた)。娘に傘を持って奥様のところに行くように叫ぶのだが、娘のユキさんはいない。それならば、自分が行くと言っているのだ。麻酔のせいか、認知が入ってしまっているのかはわからないが、内容がわかってくるとその叫び声をやかましいと思わなくなった。

ここからは私の想像の世界。おそらく、この老人、家では頑固ジジイ。奥様に感謝の言葉など言ったことがない。しかし、自分が病室で苦しんでる時に出てくるのは、奥様への心配なのだろう。ちょっと美しすぎるアレンジか!笑

私の周りも忘れっぽい人が増えてきている。私も予備軍かもしれない....先日、そんな人向けのサプリメントを定期購入した。そんな時、思い出した話。私もそうなった時には、間違えなく妻の名前を叫びたいものだ...大丈夫かな....

Dream Gypsy by

友人とニューヨークに行ったときのこと。そのときは、マンハッタンの中心にあるホテルを予約した。トイレ、バスが共有で、口コミもかなり悪かったが、背に腹は変えられずそのホテルのシングルルームを2部屋予約した。

チェックインすると、共有のバス、トイレも多く、思ったよりも全然良いではないか。

しかし、2泊目の夜だったか...時差が引きずり深夜1:30ごろに目が覚めてしまった。ん?部屋の外から男の声が聞こえてくる。もちろん英語だから何を言っているかわからない。しかし、声をひそめるわけでもなく、普通に何かを喋っている。どちらかというと、普通よりも大きめの声で、ゆっくりと喋っているようだ。声から想像するに大男に感じる。どうも独り言のようだ。何かをゆっくり大きな声で話しながら、どこかのドアをガチャガチャとしている。そして、また独り言が始まりドアをガチャガチャ。なんだか近づいてくる。緊迫していると、今度は独り言は遠のいていって、聞こえなくなった。

部屋がわからなくなって、部屋の中に呼びかけながらガチャガチャしていたのだろうか...謎は解決されぬまま、再び眠ってしまった。

翌朝、友人にそのことを話すと熟睡していたらしく全く気づかなかったという。

しかし、独り言は小さい声でボソボソ言って欲しいものだ。

 

Get Happy

自由過ぎる二人組

先日、社員旅行で大阪に行ってきた。社員の一人が大阪出身で、しかも実家が焼肉店を営んでいる。私含めて7人で新幹線に乗ってのツアーとなった。焼肉店は噂に違わぬ美味しさで、みんなで楽しい時を過ごした。

その後、私はホテルの近くでバーを探した。自分のルーティンというほどでもないのだが、最後はバーでウイスキーを飲みたくなる。

歩いて探すがなかなか見つからない。こんな時、若い人たちスマホで調べるのだろうが、スマホなんかに誘導されたくないと変な意地が出てきて歩き続けた。

あった。

2Fに上がるとバーがあると、手作り看板が言っている。迷う理由もなく階段を登る。客は誰もいない。大好きなアイラ島ウイスキーが見えたのでロックでもらう。この時間がいい。

しばらくすると、外国人二人組が酔っ払って入ってきた。入るなり、「Art?Art?」と言ってくるが、よく聞き取れない。片手に美術の本を持っていて、その本をこちらに差し出してきた。アートのことか・・・「Art! Yes,I love art!」と言うと、日本語で、「英語、どこで習った?」と訊いてくる。なんだ、日本語喋れるじゃないかと胸をなで下ろすと、私を挟んで両側に座り出した。一人しかいないバーのカウンターで、なんで??一人で静かに飲んでいたのに、賑やかな二人組が大きな声で喋りだす。

私の左側に座ったのはアメリカのシアトル出身で、IT関係の日本企業で働いているとのこと。右側に座った方はウェールズから来ていて、絵を描いているらしい。大阪のどこかでグループ展のようなものをしていると言う。この二人がどういう関係なのかが謎になるのだが、それを尋ねるスキがない。左のアメリカ人がひっきりなしに話してくるからだ。

左側を向きながら話していると、「シアトルには有名人がいない」と言い出すので、「ジミ・ヘンドリックスがいるじゃないか!!」というと、今度は右側のウェールズが、「ジミ・ヘンドリックスは最高だ。」と言い出す。

私は、今度は右を向いて、「なんでジミ・ヘンドリックスがいいんだ?イギリスはブリテッシュロックだろう。俺はレッドツェッペリンが好きだ。」と言うと、そのウェールズ人は、「俺もレッドツェッペリンが大好きだ。」とハイタッチを求められ、バーのマスターにレッドツェッペリンカシミールをかけてくれ!」と頼みだす。

そうすると、今度は左側のシアトルの方が、「俺は最近すごくいい音楽に出会った。」と言い出し、スマホYou Tubeに繋ぎその音楽を流しだす。レッドツェッペリンカシミールに混ざって、全く嗜好の違うオペラのような音楽が左側のスマホから流れ出す。

もうめちゃくちゃで首を右に左に向けながら、静かにカウンターでウイスキーを飲むという感じではなくなってきた。

そんな調子で二人の酔っ払いの外国人に挟まれて楽しい時間が過ぎていった。

遂には、左のシアトルの方はi padを出して、奥さんとテレビ通話を始めだす始末。まあ、自由だわ、この人たち・・・

最後は、二人のインスタをフォローさせられて店を出た・・・・笑

Soft Winds

 

バラの剪定

前日、バラの剪定が終わった。毎年、手が傷だらけになりながら枝に鋏を入れるのだが、なかなか正解に辿り着くことができない。もっと切った方がいいのか....切り過ぎてしまったのか....

頑張って5月を楽しみに待つのだが、毎年落胆の5月となる。剪定後のこの時期は期待に胸を膨らませるのだが、見事に裏切られてしまう。

今年はかなり刈り込んでみた。バラの命を信じて短めに鋏を入れるのだが、これがかなり胸が痛む作業になる。

「ごめんなさい」を連呼しながらパチン、パチンとやるのだから、精神的にも鍛えられる。笑

5月に満開の写真を撮れるといいのだが....。

もしかして、バライジメかな...

Epistrophy

我が家にいる猫の兄弟猫が里帰り中だ。

今回の里帰りは少し長く、お盆過ぎまではいることになりそうだ。

この二匹の兄弟が揃うと、大変賑やかになる。物凄い速さで部屋中を追いかけっこするのだが、それはもう大運動会の様相となる。

先日もソファでうとうととしていると、ゴン!と鈍い音。音の主の方を見ると、私の大切なオーディオのスピーカーが床に落ちている。えーーーー!これ、落としたの!!と近寄るが、犯人たちは反省の様子もなく、音に驚いた顔をするだけで、また大運動会が再開する。

そういえば、私がまだ開業する前の頃、まだ小さかった息子が大切にしていたスピーカーを笑いながら人差し指をウーハーに何度も突き刺しているのを思い出した。そのため、私の大切なスピーカーのウーハー部分がベコッと凹んでしまった。それでも、容赦ない息子は、笑いながらスピーカーにハイハイしていき、大好きな遊びを始めるのだ。焦る私を尻目に猫たちと一緒で反省はない・・・。結局、スピーカーが倒れてきたら危ないということで、妻に撤去されてしまった。

この猫たちは、次は何を壊すのだろうか….実は知っている。妻のお気に入りのソファの下の見えない部分。彼らがたまに爪研ぎをしていることを….恐ろしやー