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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

I’ve Got A Crush On You

アメリカ ヨセミテ


1週間ばかりサンフランシスコに行ってきた。
ちょっとした用事があって、タクシーで移動した。
その帰り・・・・「歩いてみようかな・・・」と思い、一人で歩きだした。
なんとなく、タクシーで来た道を戻るイメージで歩くのだが、やはり迷ってしまった・・・・。
これもまた楽しい。
程なくすると、鉄格子で張り巡らされたブロックになってきた。
ここは危ない場所なのかな・・・・更に進むとラリった連中が道端に出てきて大声で何か話している。
道の両側にその光景がずっと続いている・・・・マズい、どうしよう。
停車中のパトカーを見つけて、そこでタクシーを拾うことにした。
パトカーの中にはポリスはいない・・・・空のパトカーが置いてあるだけだ。
タクシーは来ない・・・きっとタクシーもこのブロックは避けて走るのだろう。
どこに進めば、このブロックから脱出できるのだろうか。
遠くに1台のタクシーが見えた。
走って行って、タクシーを止めようとするが、運転手は無情にもダメだと手を振り後部座席を親指で指差した。
ああ、乗客を乗せてるのか・・・・。
戻ろうとすると、そのタクシーがクラクションを鳴らす。
振り返ると、助手席に乗れと合図している。
きっと、乗客が「ここは危ないから乗せてやってくれ」と言ってくれたのだろう。
ホッとしながら、乗り込んで後ろを振り返って「Thank You!」と言うと、後部座席に座っていたのはイカれたレゲエ野郎だ・・・・。
鼻歌を歌いながらニヤニヤしている。
「どこまで行くのか?」と聞かれたので、「ユニオンスクエアの周辺だ」と答えると、「その角まで乗せてやる。」というようなことを言っている。
ヤバい・・・これは絶対絶命かもしれない。
前方パネルの料金表示を見ると、メーターは動いていない・・・・こいつらグルかも。
人の少ないところに連れてかれて、全部盗られてしまうのかも・・・。
渋滞の中、やたらとクラクションを鳴らしている。
「How long does it take ?」と聞くと、「I don't know.」と笑いながら答えるではないか。
運転手は前歯が3本くらいしかない・・・完全にイカれた連中だ。
財布にはそんなに金が入っていない。
カメラは盗られちゃうのかな・・・・色んなことをわずかな時間でぐるぐると考えてしまう。
渋滞を抜けて角を右折したところで、そのレゲエ野郎を下ろした。
その角までとは、このレゲエ野郎を下ろす場所だったのか。
更に車を走らせて、2回ほど右折して「乗せた場所に近いところで、メーターを入れるよ。」と言ってメーターを作動させた。
少しすると、見覚えのある通りに出た。
助かった・・・・前歯のない運転手は決して悪い人ではなかった。
きっと友人を後部座席に乗せていたのだが、危ない場所をふらふらしている私を乗せてくれたのだろう。
チップを弾んで支払いをすると、「Thank You so much!」と数ない前歯を見せて笑ってくれた。
ああ、助かった。
この国は舐めたら怖い。
そして、人は外見で判断してはいけない・・・・。