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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Don't Explain

京都 醍醐寺

ここ数年、春になると原因不明の頭痛に悩まされる。
緊張性頭痛とやらで、季節の変わり目に症状が出るらしい。

数年前は、寝ていてもズッキン、ズッキンと脈打つように痛みが走り、ついに我慢の限界を超え、妻に救急外来のある病院に電話してもらい、タクシーで向うから診て欲しいと頼んだ。
夜中のうす暗い病院の長い廊下の脇に置いてある長椅子に座っていると、足音が向こうから聞こえる。
片足を引きずる足音が、遠くから近づいてくる・・・・頭がガンガンするのに、幽霊??
だんだんとこちらに近づく姿は、シルエットで女性だと想像がつく。
さらに近づいてきて、真っ白い髪の毛がうつむく顔にかぶさっているのがわかる。
まいったなあ、誰もいないし・・・目を合わせると怖いけど、やっぱり確認はしたくなる。
私の斜め前に来ると、足音が止まった・・・・マズイ、やられる・・・・・
見るのも怖いのだが、この空間も耐えられないものがあって、そーっと見上げると・・・・
やっぱり、真っ白い髪を顔の前に垂らしながら、しかりとこっちを見ている。
背筋が凍りつく・・・・・。
すると、「運転手の方?警察の方?」と聞かれた。
「いいえ。」と答えると、また歩き出して通り過ぎて行った。
そうか、やっと状況が理解できた。
この白髪の婦人は幽霊でもなんでもなく、交通事故でこの病院に搬送されてきたのだろう。
そして、誰もいない長い廊下の長椅子に一人座っている私を交通事故の当事者か、警察の人間だと思ったらしい。
それにしても怖かった・・・・・。
でも、ご婦人にしてみたらいい迷惑だ。
事故に遭われたのに、さらに幽霊と間違えられるとは・・・・

春になると、なんだか思い出してしまう失礼なお話だ・・・・。