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社会保険労務士法人 礎

  社会保険労務士法人礎のブログ

Detour Ahead

神奈川県 鎌倉

そういえば、大分昔になるが、新婚旅行でシャモニーに行ったときのこと。
外は小雨が降っていた。
モンブランが見たくて仕方なかった私は、チェックインしてすぐにケーブルカー乗り場に向おうとフロントに出た。
ホテルのフロント係の女性が、「こんな雨なのに、どこに行くのか?」と訊いてきた。
「ケーブルカーでモンブランを見に行きたい。」というと、「真っ白い霧を見に行くの?」と笑われてしまった。
それでも、日程が厳しかった私達は、ケーブルカー乗り場に行くと、ケーブルカーは運休していた。
係員に「動く見込みがあるのか?」と訊くと「天気に訊いてくれ。」と言われてしまった。
翌日も怪しい天気だったが、それでも、もう一度ケーブルカー乗り場に向う事にした。
ケーブルカーは動いていた。
長い列を待って、ケーブルカーに乗ると、一人のクライマーが重装備で乗り込んできた。
「これから、モンブランに登るのか?」と訊いてみると、「今日は、近くの小屋まで行くつもりだ。この天気だから回復したらその先まで登るが、天気が悪ければ戻ってくる。」と言う。
休暇が1週間あるので、今登る事は無いというのだ。
自然には勝てないという尊厳と、自然は逃げないという安心を持っているように感じたのを憶えている。
せかせかとしている自分たちを恥ずかしく感じた。
夕方、レストランのテラスで食事をしていると、雲が切れて薄赤いモンブランが顔を出してきた。
針のような連山の中に、優しい丸い、包容力のある山が顔を出したのだ。
凄い・・・・その絶景に暫く言葉を失った。
しかし、ものの数十分で、また雲の中に入ってしまった。
モンブランは、見に行くのではなくて、見せてもらうということなのだろう。
そんなゆとりがあっても良いと思いながらも、バタバタとした日々を過ごしている・・・・。